窒化チタンコーティング

窒化チタン(TiN)とは

窒化チタン(Titanium Nitride)は、チタンと窒素の化合物であり、金属の表面特性を劇的に向上させる「硬質膜のスタンダード」です。

美麗なゴールドの外観:反射スペクトルが金(Au)に近く、高級感のある金色を呈します。装飾用途では、黄色寄りのゴールドから落ち着いた茶色系のゴールドまで調整が可能です。
サファイアに匹敵する高硬度:一般的な硬度は 1800 〜 3000 Hv。サファイアと同等の硬さを持ち、鋭い耐摩耗性を発揮します。
優れた靭性と摺動性:高硬度でありながら靭性(粘り強さ)も併せ持つため、衝撃や摩擦が加わる摺動部でも膜が欠けにくく、滑らかな動作を支えます。
優れた生体親和性:人体への影響が極めて少なく、医療機器や身辺アクセサリーにも安心して使用できるクリーンな物質です。

TiNコーティングの特性(スペック)
項目 特性値・内容
化学式 TiN(1層コーティング)
ビッカース硬度 1800Hv 〜 3000Hv
膜厚 0.1 〜 5μm
耐熱温度(大気中) 約 800℃(酸化開始温度)
摩擦係数 0.4 〜 0.9(表面仕上げにより異なる)
成膜温度 通常 400〜450℃(最短 150℃からの低温処理も相談可)
安全性 無毒(FDAガイドライン適合)

窒化チタン(TiN)の主な用途

1. 耐久性・耐摩耗性の向上

切削工具(ドリル、エンドミル)、パンチ、ダイスなどの金属加工部品に最適です。高硬度・高密着・高靭性の三拍子が揃っているため、激しい荷重がかかる環境でも工具の長寿命化を実現します。

2. 装飾・デザイン

金メッキや塗装とは異なる独特の輝きを持つため、腕時計の外装、カトラリー(食器)、理美容ハサミなどの高級装飾に採用されています。

3. 離型性(生産性)の改善

樹脂成形用金型や射出成形機のスクリューシャフトなどに。製品と金型の「離れ」をスムーズにし、製品の品質向上とサイクルタイムの短縮に寄与します。

4. 医療・生体適合性

毒性がなく、生体親和性が高いため、手術用メス、人工関節、インプラント等に使用されます。金属アレルギー対策としても非常に有効です。

5. 赤外線反射・熱対策

金(Au)と類似した反射特性を持ち、赤外線を効率よく反射します。光源付近のパーツに施すことで、輻射熱による周辺部品への影響を軽減します。

弊社の成膜プロセスと対応サイズ

用途や基材の形状に合わせて、2つのPVD(物理蒸着)方式を使い分けています。

AIP(アークイオンプレーティング)法

強み:圧倒的な密着力。工具や電極など、過酷な負荷がかかる部品に最適です。
最大サイズ:幅 1400mm × 高さ 1150mm × 奥行 160mm(※実績値として幅 2160mm まで対応可)

HCD(ホローカソード)法

強み:優れた平滑性(なめらかさ)。膜表面の突起を抑え、鏡面状態を維持できます。
最大サイズ:長さ 1100mm × φ150

徹底した品質管理

密着不良を防ぐため、以下の工程を徹底しています。

1. 特殊研磨:ヤケや微細な異物の除去
2. 超音波・溶剤洗浄:有機溶剤による徹底した脱脂
3. 精密仕上げ:アルコール類での水分除去と表面乾拭き
※成膜後の洗浄・乾燥工程により、溶剤が残留することはありません。

試作・オーダーメイド対応

「1個からの小ロット」も喜んで承ります。

通常、単品処理はコストが高くなりがちですが、弊社では他製品との**「混載処理」**を調整することで、コストを抑えたご提案が可能です。

対応可能なコーティング一覧

TiN、TiAlN、TiCN、CrN、CrAlN、DLC、SUSコート、各種めっき、AR(反射防止)コートなど。

ご依頼時の注意事項

熱影響:通常 400〜500℃の熱がかかります。熱に弱い材質・形状の場合は事前にご相談ください。
テストピース:最適な条件出しのため、可能であれば同じ材質の端材(テストピース)を同梱いただけますと幸いです。

お問い合わせ・お見積り

「まずは1個試作したい」「この材質に成膜できるか知りたい」など、専門スタッフが丁寧にお答えします。

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